本当に胃瘻が必要な方ですか?

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全国介護歯科協会 副代表の永山です。

今回は胃瘻についてお話をしたいと思います。

摂食嚥下に精通した先生のお話やセミナー講演に
参加して最近強く感じることがあります。

それは、

「必要がない人への胃瘻が想像している以上に多いのではないか?」

ということです。

胃瘻の手術自体は20分もあればできる簡単なものだそうです。
しかし、それによって失うものは人間として大きいものだと思います。

【胃瘻にするかどうか】

この重要な判断を正しく明確にするために必要なのが「摂食嚥下」の知識です。

実は、この知識が不足している主治医が胃瘻の判断を下してしまうケースが
実際にあるようです。

先日も訪問診療に同行した際、最近胃瘻の手術をしたという家族とお話ししました。

胃瘻する前は、時間はかかっても普通食を召し上がっていた状態だったそうです。
それがよくむせるようになってしまい、

主治医から

「危ないから胃瘻にしたほうがよい」

という勧めがあり、すぐに手術されたそうです。

その方のご主人は

「胃瘻にしてからとても弱ってしまい元気もなくなってしまったように見える」
嘆いていました。
食べることが大好きだったので、胃瘻の状態でも可能であれば口から食事
できるようにして欲しいとの相談もありました。

その方を診た歯科医師の先生は

「きちんとむせることが出来ているし、胃瘻にする前までは少なくとも普通食を
経口で摂れていたことから考えてもリハビリの余地はあったのではないか?」

とおっしゃっていました。

私は専門家ではないので、胃瘻が正しかったのか、本当に必要であったのか
正直わかりません。

しかし、家族さんとお話をして必要のない方への胃瘻は絶対にあってはならないと
再認識させられました。

より正しい判断ができるよう、今以上の医科と歯科との連携、そしてまだ成熟して
いない歯科の摂食嚥下分野の充実が必要だと感じます。

その部分で当協会も寄与できるよう尽力していきたいと考えております。



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