全国介護歯科協会の前田です。
普段は、訪問歯科のサポート以外にも、外来の歯科経営のコンサルティングを行っていますので、
今回は、外来での接遇のポイントについて書こうと思います。
先日、美容院に行って髪を切ってきた時の話です。
その美容院は私が初めて行ったお店で、関西一円に20店舗近くお店を出している
大手チェーン店で、とても綺麗なお店でした。
さすがに内装もセンスよく、接客もよく行き届いているなぁと感心したのですが、
一番感心したのは、洗髪時に使用する炭酸水による洗髪効果について説明でした。
状況を簡単に説明しますと、
まず、洗髪前に
「炭酸水での洗髪によって汚れが浮き上がります。その汚れを洗髪後に見てもらって
どれだけ汚れが落ちたのか前田さん自身に確認してもらいますね」
という説明。
そして、洗髪中に
「あまりこうした炭酸水による洗髪ができるお店は少ないんですよ」
という説明。
そして、洗髪後に落ちた汚れを集めたタライに見せて、
「こうした汚れは、シャンプーなどでは取れないので、月に1度はされることをお勧めしますよ」
との締めの説明。
(細かい言い回しなどは異なるかもしれませんが、大枠は以上のような説明)
つまり、
・汚れがよく落ちる炭酸水による洗髪
・炭酸水による洗髪は他店にはあまりない
・自分では落とせない汚れだから月に1回はしたほうが良い
という説明をあわせると、
月に1回くらい髪を切りにいく人に対して、同じくらいの頻度での良い洗髪を勧めるといった
顧客のリピート化の方法だということです。
システムに感心するとともに、上手に誘導したこのスタッフさんにも感心しました。
これだけでも、歯科医院でのリコールアップに繋がるヒントは隠されていますが、
実はポイントはこれだけではありません。
その日のカットは一番最終に行ったのですが、正直どうもシックリ来ず、
たまたま翌日の午前中も時間がありましたので、
次の日にもう一度同じ美容院に行って修正してもらったのですが、
カットする前のその洗髪のときに、横で別のお客さんに洗髪をしているスタッフの説明を聞いて
驚きました。
昨日、私に説明をした内容と全く同じ内容の説明を別のスタッフがしていたからです。
そして、私と同じように、横のお客さんは自分の髪の汚れを見て感心していました(笑)
つまり、これは接遇のマニュアルなんですね。
マニュアルと聞くと、画一的であまり良いイメージを持たれていない方もいらっしゃる
かもしれませんが、されどマニュアル。私や横のお客さんが感心したくらいの説明は
全員が出来るようになれるものなのです。
もちろん、マニュアルだけでは埋められない予想外の話の展開などもあるでしょう。
しかし、例えば今回のケースのように新規来店のお客さんの洗髪の場合など、
シチュエーションを絞り込めば、9割方はマニュアルで予想される範囲での説明トークが
出来るはずです。
・新患への当院の治療方針の説明
・リコールの大切さを伝える説明
・自費補綴の利点を伝える説明
など、説明の流れをうまく設計すれば、ある程度のスタッフであれば誰でもできるということを
あらためてこの美容院に行って感じさせられた次第です。
※全国介護歯科協会のサイトはこちら